漫才「出会いがない」
2「はいどーも」
T「Tです」
B「Bでーす。よろしくねー。」
T「軽いなあ。よろしくお願いしまーす。」
T「いやさ、つくづく思うんだけどさ、東大生って出会いがないよね。」
B「こんなにも優秀な人材に毎日出会っているというのに?」
T「いや、そういうんじゃなくてさ。」
T「・・・可愛い女の子と出会いたい。」
B「こんな美女が目の前にいるのに失礼ですね。」
T「どこが美女だよ。」
B「心外な。でもいいよ。あいにく私は性格がいいから君の暴言は全て水に流し可愛い女の子との出会いを練習させてあげるよ。あっ拍手ありがとうございます。ありがとうございます。(手を振る)」
T「お客さんに手を振るな!でもまあそれはありがたいですね。宜しくお願いします。」
B「で、どんなんがタイプなんですか?(偉そうに)」
T「腹たつ顔だなあ。そうですね、こう何というか、まあ小柄で…」
B「ホビット族。」
T「ホビット族ではないかな。できれば人間でお願いします。」
B「サル目ヒト科ヒト族ですか?」
T「は、はい。」
B「なるほど。変わった趣味ですね。」
T「じゃあお前は何と恋愛するんだよ。」
B「まあね。それは置いておいて。サル目ヒト科ヒト属以外に何かご注文は。君の好きなように設定していいよ。」
T「なんだよ気になるな。…いやそうでもないか。そうだな、とりあえず年下で。」
B「年下—…?生後何日くらい?」
T「生後18年くらいで。」
B「なるほど生後6570日ね。」
T「わかりづらいにもほどがあるわ。」
B「で?後は?」
T「ねえなんかもうめんどくさくなってきたから適当にやってくれて良いよ。時間もないしお客さんも飽きちゃうから。」
B「えっこれだけじゃ無理ですよ。せめて後血液中の赤血球濃度ぐらいは聞かないと。」
T「どうやってその情報を女の子に反映させるんだよ。」
B「主に運動能力ですかね。やっぱり赤血球が多い方がスポーツに向いているので。」
T「じゃあ多めで!!(投げやり)」
B「ウィ。」
B「じゃあ出会おうか。どういう状況にしよう。」
T「そうですね、せっかくだから僕の入ってるサークルに女の子が偶然入部してきて一目あった瞬間に恋に落ちるなんてどうですか。」
B「へーぇ。そういうのが好きなんだー。ベッタベタですね。少女漫画か。」
T「うるさいなあ。良いでしょ。」
B「否定はせんよ。(にやり)じゃあ部室の中にいて、私新入生で入っていくから。」
T「オーケー。」
ある程度距離をとって。
B「わあ!ここがウエイトリフティング部かあ!ガラガラ(引き戸を開ける仕草)あっ…(一目惚れしたような仕草)」
T「あっ…じゃねえよ。何で俺ウエイトリフティング部に入ってることになってるんだよ。」
B「だって小柄で赤血球濃度高めの女の子って大抵ウエイトリフティングやってるでしょ。」
T「やってねえよ。どんな偏見だよ。」
T「せっかく笑論法で活動してるんだから、どうせなら笑論法に入部してきてほしいなあ。」
B「そんな物好きな可愛い女の子がいるはずないだろ!周り見てみろよ!」
T「失礼にもほどがある…。」
また距離をとる。
B「わーここが笑論法かあ。(テンション低め)ガラガラ(引き戸を開ける仕草。目があって)あっ…。」
この間Tは同じようにあっ…ってなった後ニヤニヤしてる。
B「Hola! Me llamo B! Encantada! Junto a lost res en mi casa es un carnicero. Gracias! Adios!」
T「ちょちょ急にどうしたの?えっ帰らないで?かろうじてアディオスだけは聞き取れたよ?」
B「すすすみません私緊張するとスペイン語しか話せなくなっちゃうんです。」
T「さっきから女の子が特殊すぎる。」
B「だってスペ語選択女子って大抵慌てるとスペ語喋り出すでしょ。」
T「喋らねえよ。喋り出す女子見たことあんのか?」
B「私。」
T「お前だけだよ!」
T「ちなみにさっき何て言ってたの…?」
B「えーっ(照れたような仕草の後)こんにちは。私の名前はBです。お会いできて嬉しいです。」
T「うん。」
B「私の家の三軒隣が肉屋です。ありがとうございます。さようなら。キャッ(照れてる)」
T「何だよその無駄な情報!どこに照れる要素があるんだよ!聞かなきゃよかった!お願いだからちゃんとした女の子やってよぉ…。」
また距離を取る
B「わあ!ここが笑論法かあ!(ガラガラ)あっ…。」
色々と照れた仕草をした後。
B「…こ、こんにちは。笑論法の方ですか?」
T「そ、そうです…。えっなんか急にちゃんとした女の子だな。えっどうしよう。(急にきょどり出す)は、は、初めまして…。」
B「は、はじめまして…。」
沈黙。
B「(声色を変えて)おっ!新入生?こっちおいで普段どんな活動してるか説明してあげるよ。」
B「ドキッ。はっはい…。(何処か行く)」
T「あっちょ…まって…」
B戻ってくる。
B「はい。終了。(手を叩く)どう?わかった?」
T「な、何を?」
B「君には出会いが無いんじゃない。あってもその機会を活かせなかっただけだったんだよ。」
T「そうでした。」
B「じゃ、そろそろ終わりにしようか。」
T「はい。すみませんでした。どうもありがとうございました。」